スピーチライターの実務①(はじめに)

そもそもスピーチライターってどんな仕事?

百科事典のキュレーションサイトであるジャパンナレッジには、以下のように記載されています。

政治家や名士の演説原稿を代筆する人.演説草稿者--imidas 

政治家などの演説の草稿を執筆する人。--デジタル大辞泉

報酬を得て他人の演説原稿を書く人--小学館 ランダムハウス英和大辞典

演説草稿製作者。--現代用語の基礎知識

演説原稿作者--プログレッシブ英和中辞典

すなわち、「話す内容(文章、テキスト)」を代理作成するのがスピーチライターです。それ以上もそれ以下もありません。

日本で同職を名乗る一部の方で、「話し方を教えるのがスピーチライターである」といった主張をされている方がいます。さらにそのようなことを描いているフィクションのエンタメ作品もあります。

それは欧米諸国におけるスピーチライターの実態とは全く異なります。
話し方を教える職種は英語圏で"Public speaking coach"と言われるトレーナーであり、原稿を考えるスピーチライターの仕事とは明確に立て分けられています。

冒頭でこのことに言及した理由は、

「①話す内容を作成する」
「②話すスタイルを決定する」
「③話す練習を行う」

この三つの区別をつけないと、あなたがスピーチの準備を行う上で支障をきたし、貴重な時間をロスする可能性があるからです。

上述の「意図的にスピーチライターの職務領域をあいまいにする」一部の業界人の底意は、自分の立場でマーケティングを最適化するためのポジショントーク(身も蓋もない言い方をすれば、自分の都合の良い形でお客さんを囲い込もうとする我田引水)であり、エンドユーザーであるスピーチを行う人の利益とは別次元である。このことも明確にお伝えしておきます。

本編、「スピーチライターの実務に学ぶ」の目的は「①話す内容を作成する」です。

「②話すスタイルを決定する」
そして
「③話す練習を行う」
に関しては、また改めて違うコンテンツとしてお伝えします。
(ただし、この三つの違いを理解し優先順位を考えて行動する事は、仕事における生産性を高めると同時に、人間関係を有利に進める上で非常に重要なポイントになります)